8月に入り、いよいよ旅行が近づいてきましたので、旅の持ち物の話をしたいと思います。特にホテルのアメニティーが日本とヨーロッパでどう違うのかを中心に説明します。
まず、歯ブラシとシャンプーからです。日本でビジネスホテルに泊まっていると使い捨ての歯ブラシが常備されていることが多いと思います。しかし、環境保護の観点からなのかヨーロッパでの旅行者は歯ブラシを持参するのが基本です。シャンプーに関しては、今回、ある程度のレベルのホテルに滞在するので、ホテルにあることも多いのではと予測しておりますが、滞在予定の中1~2軒のホテルでシャンプーが置いていないこともあるのではと考え小さなものを持参する予定です。シャンプーやコンディショナー、洗顔フォームなど普段使い慣れているのがあれば、最後のパリのホテルで使い切る(捨てるつもりで)持っていっても良いのではと思います。(お土産が増えているであろうから日本から持参したもので捨てられるものは現地で捨てるが基本です。)
個人的に持参するのにお勧めなのが、体を洗うためのボディータオルです。完全に好みの問題なのですが、普通のタオルで洗うより、泡立ちの良いボディータオルで洗った方がさっぱりして必ず持っていかなければならないものではないのですが、持っていくつもりです。もちろん、安物を持って行って、現地で捨てていくつもりです。
最後に重要なコメントとして、室内用スリッパを忘れないようにして下さい。これも日本のビジネスホテルでは常備されていることが多いですが、ヨーロッパのホテルでは、まず、無いでしょう。また、ホテルの部屋をヨーロッパの人たちが、どのように使用しているか考えると、必要性を感じるでしょう。ドイツ在住時にフランスの学会に参加した際、研究室の同僚であるスイス人とツインの部屋を使用したことがありました。さすがに、寝るまで靴を履いている生活ではありませんが、靴と靴下の間隔が日本人とは違うのだなぁと感じる生活でした。外を歩いてきた靴で室内を歩いても、さほど、汚れないと考えているのか、ソファーやベッドサイドに座る際、靴のままであることもありました。部屋に入って、入り口近くで、靴を脱いで靴下になることも多いのですが、日本人の感覚だと靴下も汚くなってそうに思いました。そんな部屋で寛ぐためにもスリッパは忘れないようにして下さい。
カテゴリー: 旅行準備
旅のお金
昨日、学生から、「ヨーロッパ研修旅行にお金はいくらくらい持っていけば良いですか?」と質問された。これは答えるのが非常に難しい質問である。例えば、京都に旅行に行くのにいくら持っていくか聞かれたら、「人それぞれでしょう」と答えるだろう。修学旅行のように小遣いが決まっている訳でもないので、研修旅行も「人それぞれ」である。
ただ、ヨーロッパという地に向かうのに心細いと感じているかもしれないので、一緒にいくら持っていくか考えていきたい。基本的な交通費(飛行機やバスなど)は、旅行代金に含まれているので、最低限必要なお金は食費となる。旅行代金に含まれない食事の回数を数え上げると
昼食:10回 夕食:9回
となる。ただ、食事が付いている回でもホテルでの朝食は問題ないが、昼食や夕食の飲み物代は別のようである。(アメリカや日本と違いレストランで無料の水が出てくる習慣がないので、必要最低限なお金としてカウントする。)
飲み物代: 7回(食事の付いている昼・夜)
続いて、1回あたりの平均食費を考えてみる。ヨーロッパの物価は日本と同じ程度と考えてよいと思われるので(スイスの食費は例外的に高いが)、食事も観光地価格であろうと想像して、
昼食:10ユーロ 夕食:20ユーロ 飲み物代:5ユーロ
としてみた。10×10+20×9+5×(10+9+7)=410 およそ400ユーロである。飲み物代の目安として、ミネラルウォーターだと5ユーロもしないと思うが、フランスでワインを飲むとしたら、もっと掛かるだろうし、もちろん、もっと豪勢なレストランで食事をしたいのか、逆にスーパーでパンとジュースを買って公園で食べるなど工夫する余地は大いにある。
この食費をベースに各自お土産代や自由時間で地下鉄を乗るとか美術館に行く代金を考えて必要額を見積もってもらいたい。
続いて、どのように持っていくかを紹介したい。私自身は主にクレジットカードを使う予定である。クレジットカードであれば、予め必要額を計算する必要もなく、現地で使った額だけ銀行から引き落とされるので非常に楽である。
しかし、学生の場合はクレジットカードを持っていない方が普通なので、その場合は現金で持っていくか、トラベラーズチェックにするかの選択となる。トラベラーズチェックとは、バックパッカーとして学生時代に最初に海外旅行に行ったときも使った決済手段だが、旅行用の小切手のことである。サインを2か所すると換金できるので、両替所や銀行で換金の直前に2か所目のサインをし現地通貨を受け取る。サインが2か所必要なため紛失や盗難に強いという長所があるが、両替の手数料がバカにならないので、最近は使っていない。上記の必要額の試算を考えると思った以上に大金ではないので、現金で持っていくのも有力かもしれない。
こちらの現金は、スイスフランである。机の引き出しの奥に眠っていたスイスフランを引っ張り出してきた。食費の試算はユーロ建てで計算したが、アンデルマット・インターラーケン・ユングフラウといったスイスの街(場所)を通過する。スイスは、ユーロ通貨に加盟していない国なのである。(EUそのものに加盟していない。)少額のスイスフランを準備するのか、観光地だとユーロは使えるだろうとユーロ通貨で通すのか判断は迷うところである。
最後に旅のTipとして、日本円も持っていくことをお勧めする。両替は、両替する度に手数料が取られ目減りする。ユーロに大量に両替して、最後余ったから、ユーロを日本円に戻すという作業を基本しない方が良い。ちょうど使い切る程度の両替をするのが旅のエキスパートである。しかし、そんなに上手く行くはずがない。そこでのお勧めが1万円札を1枚か2枚を旅行グッズのどこかに隠しておいて、万が一のときにその1万円を現地通貨に両替できるよう保険として持っておくことである。フランスでは街中にCHANGEの看板を数多くみる。当初、両替は外国人が良く利用するから英語で表記しているのだと思っていたが、フランス語でも両替・為替のことをCHANGEというらしい(発音は全く知りませんが)。イギリスとフランスの言語的な交流の一例ではあるが、馴染み深い英語だと思ってCHANGEで1万円札を出しユーロに交換することも旅の思い出になるかもしれない。
(追記)
一昨年の研修旅行(今回とほぼ同じルート)に参加した学生と話す機会があった。そこで聞いたのが10万円は使ったという経験談である。一生懸命、頭で考えるより、こちらの金額の方が説得力があるのではないでしょうか。
(追記2)
旅行中での添乗員さん情報を一つ。上記のようにフランス・パリではCHANGEと書かれた両替所がたくさんあるのだが、ぼったくりのような手数料をとるところが、ほとんどだそうである(小さい字でボッタくり価格を記述)。というわけで、どこで両替するか添乗員さんに聞くのがベストである。(オペラ座近くの両替所を勧めていた。)
携帯電話・ネット事情2
前回のブログで旅行中における携帯電話・ネットに関することを説明したが、言いそびれたことがあったので、続きです。
ホテルでは携帯電話をWifiに繋げられると述べましたが、日中、ネットに繋げられないことを不便に思う人も多いかもしれません。旅行地の情報や天気、場合によっては、道に迷ってしまったときにGPSを駆使して地図を表示したくなるかもしれません。旅行中・日中くらいは、携帯電話が使えない状態でも良いかとも思いますが不安な人への解決策です。(携帯で地図を表示させるより、紙の地図を読むことを試してもらいたい気もしますが・・・)
私は、通勤電車の中で電子メールのチェックと学術論文のチェック用にタブレット端末を持ち歩いています。
このタブレット端末は、SIMフリー機器なので、通信会社を選ばず、どの会社のSIMカードを挿しても通信ができます。ドコモのアンドロイドとか、ソフトバンクのiPhoneとか決まっていないのです。(通信会社が決まっている、この場合をSIMロックと言います。)SIMフリー機器では、当然、海外の通信会社のSIMカードを入れると、海外でも通信ができるのです。イタリアとか現地でSIMカードを買おうかとも思っていたのですが、日本で買える海外用SIMカードを手配しました。
・楽天モバイル
・mineo
一番、右が今回購入したSIMカードで、真ん中がタブレット端末の中に入っているもの、そして、左がiPhoneのSIMカードです。(SIMカードにはサイズに種類があることに注意)最近の携帯電話は、SIMロックを解除できるようになってきているので、SIMカードを挿し換えて、海外で通信するのも良いかもしれません。(ただ、携帯番号が変わるので、LINEとか使いにくいかも)
もう一つのチョイスは、wifiルーターをレンタルする手です。昨年末にアメリカへ国際会議で出張した際にwifiルーターをレンタルしたのですが、思いのほか便利だったので、今回のヨーロッパ研修旅行では、上記のSIMカードにチャージしながら通信するか、wifiルーターをレンタルするか迷っています。wifiルーターの場合、一緒に行動する友達が決まっているのであれば、仲間でルーターをシェアすることも可能であり、その分、レンタル料を割り勘できます。どれくらいのレンタル料がかかるのかは、各自、調べて下さい。調べるのも旅行準備の醍醐味なので、楽しんで調べて下さい。
・wifiルーターレンタル比較
携帯電話・ネット事情
学生時代に携帯電話(PHS)が普及し始めた世代としては、携帯が無い生活も想像でき、最近までは、国際会議で1週間ほど連絡がつかないなど普通にありました。(近頃は、メールくらい何処でもチェックしなければならなくなってきています。)
さて、海外旅行として、初めてヨーロッパを訪問する学生にとっては、初めての海外という緊張感に加えて、携帯電話が普通に使えない状況というのは、ストレスを与えると思います。そこで、今回は、海外での携帯電話の使い方を紹介します。
まず、日本国内で使用している携帯電話が全く使えないかと言うと、最近の電話は、ほぼ使用可能となっています。ただ、通話やネットを使用すると、日本の携帯を海外に持っていっているので、国際電話をかけていると同じくらい料金がかかります。(例外はありますので、細かな点は、各社のホームページ等で確認して下さい。)つまり、普通に使えるけど、普通じゃない金額が請求されます。そこで、学生へのお勧め設定は、ローミングを下記のようにすることです。
ローミングとは、ドコモ・au・ソフトバンクなどが海外の通信会社を経由して電話やネット通信を行うことであり、上の設定は、音声通話をローミングで実施するが、データ通信はローミングしないという状態です。これで、インターネットには繋がりませんが、もしものときに電話をしたり、日本からの電話を着信することもできます。ただ、海外で着信した場合は、着信にも国際電話料金がかかるので、基本は、もしものときの保険として電話をかけることができるようにしておくだけです。(日本にかける場合は、国番号+81-ゼロをとった市街局番~)
もう一つ、お勧めの設定を紹介します。上の設定では、電話で出てしまったときや、間違えてかけてしまったときに、国際電話料金が発生してしまうので、ローミングも完全にやめてしまう方法です。マナーモードの設定を活用する方法です。
マナーモードに設定すると飛行機マークが現れて電話の発信・着信は、もちろん、一切の電波を発生する機能が制限されるのですが、その状態で、飛行機マークは付いているのに、Wifiをオンにすることができるのです。
宿泊するホテルのほとんどで無料のWifiが使用できるので、ホテルに着けば、Wifiの設定をして、音声通話は使えないけど、インターネットが使用できるようになるのです。さらに、LINEなどの無料通話はネット回線を使用しているので、Wifiで繋がっているだけで使用できます。「マナーモード+Wifi」の設定であれば、ほとんどのホテルでネットとLINEが使えるので、これで十分な気もします。「音声ローミングのみ+Wifi]か「マナーモード+Wifi」か、どちらが好みか選んでください(旅行中に切り替えることも可能)。ただ、携帯電話を使うと(旅行中の写真を携帯で撮っても)電池はドンドン減ります。充電は、前のブログを読んで、必要なアダプタを手に入れておいて下さい。
もっと詳しい海外携帯事情は、別の人が書いた記事へのリンクを張っておきます。
海外でスマホを使うときの注意(All About)
海外旅行者必見!海外で携帯電話・スマホを使う時の注意事項(ガジェット通信)
ヨーロッパの電源プラグ
理系の教員なので、理系らしいブログテーマとして、日本では100Vの電源コンセントの話をしたいと思います。ヨーロッパ各国の電源電圧は200Vを超えていることが多く、携帯電話やデジカメなど日本の製品を海外に持っていった際に充電をどのようにするか悩ましいと思います。まずは、日本の電化製品のコンセント形状を写真を見てみましょう。
(留守番電話機) (iPhone充電器) (デジカメ用)
どれも同じように見えるかもしれませんが、実は2種類に分類することができます。具体的には、留守番電話用のコンセントは昔からあるタイプのACアダプターであり、iPhoneの充電器やアンドロイドと同じUSB口を持つデジカメ用のコンセントプラグは、専門用語でスイッチング電源と呼ばれるものです。どちらも、交流電圧を直流電圧に変換するという点では同じなのですが、その原理が違います。
若干大きめの昔ながらのACアダプタは、中にトランスとも呼ばれる電源コイルが入っており、コイルの巻き数で交流電圧の大きさを変換しています。そのため、目的の直流電圧を得るためには、適当な巻き数の比率が必要であり、日本の100V用に作られた製品は、海外の200Vなど違う電圧では使用できないのです。
ドイツへの留学時に米を炊飯器で炊いて食べたいと考え、3合炊きの小型炊飯器とドイツの230Vを100Vに変換するトランスを持っていったことを思い出します。炊飯器という大きな電力を使用するトランスは、値段も高くなるだけでなく、大きくもなり、重さも数kgしたと思います。それをリュックに入れ、お米のためと担いで運んだ記憶があります。
さて、では、携帯の充電器をよく見てみましょう。Input: 100-240V~50-60Hz こんな記述が読み取れるでしょう。この電源プラグが、100Vから240Vまで対応可能であるという意味です。スイッチング電源と呼ばれる半導体の技術が、海外でも使用できるコンセントプラグを可能としています。
難しくなってしまいますが簡単に原理を紹介すると、作りたい直流電圧に対して、電圧が低いときはONにして、電圧が高いときはOFFにする、そんな半導体素子を準備します。このONとOFFのスイッチングを高速で実施することで、直流電圧を生み出しているのです。そのため、元の交流電圧が何Vであるかといったことも考える必要がなく、また、小型で軽量の半導体素子で電圧の変換が出来ているのです。スイッチング電源は、この15年ほどで急速に広がった技術で、もっと早く広がっていれば、炊飯器のための重いトランスを運ぶ必要もなかったかもしれません。
最後に、電源電圧は対応可能でも、コンセント形状が違うことには注意して下さい。ドイツやスイスなど各国でもコンセントの形が違うのですが、グランド端子を使用せずにコンセントにプラグを差し込むだけであれば、簡単なプラグ変換だけで対応可能です。下の海外プラグも100円ショップで買ったものですが、iPhoneやデジカメの充電には使用できるのではと思います。
ヨーロッパの気候
旅に出るにあたりスーツケースに服を詰めることから始める人も多いと思います。その時に気になるのは、現地の気候は寒いのか暑いのか、持っていく服の種類に関してです。そこで、まず、ヨーロッパの気候の話からブログを始めたいと思います。日本人の一般的なイメージとして、熱帯・温帯・寒帯の気候区分から考えて、ヨーロッパも日本と同じ温帯に属するので気候は、あまり、変わらないのではないかと勝手に想像することが多いでしょう。平均気温や平均降水量などの気象データは旅行ガイドブックに載っていると思いますが、だいだいどんな気候なのか現地のイメージを抱くことは数字からは難しいと思います。まず、下にヨーロッパの地図を示したので、ご覧下さい。日本とヨーロッパを比較できるよう日本の地図も緯度を合わせて貼り付けてあります。
ご覧のように東京の位置が地図内に入らないほど、ヨーロッパは高緯度に位置しているのです。暖流であるメキシコ湾流の影響により高緯度である割には、温暖な気候ですが、決して日本と同じように暖かいと考えては間違いです。ローマは東京と同じと考えても良いかもしれませんが、ミュンヘンやパリは、同じ日本でも北海道に行く気持ちで臨むべきだと思います。
10年ほど前にドイツに住んでいたとき、車を所有していたのですが、貧乏な研究員だったので、5~6年落ちのオペルの小型中古車になりました。さすがドイツだと思ったことは、車のフレームが頑丈に出来ていたこととエアバックが装備されていたことです。ただ、それ以外は何もついていなく、マニュアル車であることは当然で、パワーウィンドやエアコンすら装備されていなかったのです。エアコンの無い車は、現在は想像できないかもしれませんが、夏場の暑いときは窓を開けて走る、そんな車です。ただ、ドイツの冬は寒く、夏は涼しい気候なので、エアコンの無い車でも我慢できたのです。
もう一つ、ドイツでの思い出を紹介しましょう。「もののけ姫」の映画を住んでいた街で上映すると知り、友達みんなで行ったのですが、屋外での映画上映でした。夏場なので、半袖で上映される広場に向かい、日没を待ったのでした。ただ、その後が最悪でした。日が暮れて上映が始まったのですが、どんどん、気温が下がっていきます。映画が終わることは、凍えるほどでした。車に戻り外気温表示を見てビックリ、10度を下回っていました。
真夏の旅行といえど、ジャケットやカーデガンなど上に羽織るものを持っていくのがヨーロッパの気候といえるでしょう。ただ、今回の研修旅行は、スイスのインターラーケンを経由する予定です。スイスアルプスの中海抜3454mに駅があるユングフラウヨッホの訪問予定もあり、夏場の富士山登山と同じと考えれば、真冬の装備も必要だと感じるでしょう。