海外旅行のリスク2

海外旅行のリスクとして、テロのリスクと交通事故のリスクについて前々回のブログで紹介しましたが、今回は、盗難のリスクについて考えていきたいと思います。ヨーロッパ研修旅行では、イタリア・スイス・ドイツ・フランスと巡りますが、特に最初の滞在国、イタリアでは盗難に気を付けるべきです。4カ国を個人的に治安の悪い順に並べると、イタリア > フランス >> ドイツ ~ スイス こんな気がします。海外旅行の慣れていない時期のイタリアですから、治安、具体的には、盗難に特に注意する必要があります。
あるとき、イタリアの街角を歩いていたら、老婆と子供が手を繋いでいて、その横を通り過ぎようしました。そのとき、老婆が何食わぬ顔で私のコートのポケットに手を入れてきて財布や小銭を探し出したのです。私も警戒をしていたので、老婆の手を取って、「お前、何やっとるんや!」と関西弁で捲りたてようとしたら、その老婆は、演技派で、まるで私がその老婆に暴力を働いているような演技を始めたのです。(周囲からは私が悪者のように見える演技です。)コートのポケットに手を突っ込まれて、こちらは、かなりムカついていたのですが、その演技を見て、プロの泥棒だなぁと若干、感心した自分も居ました。そんなプロの泥棒が街角にいる国、それがイタリアだと思いますので、貴重品の管理は、特に気を付けてください。
では、具体的に、貴重品をどう管理するのか、私のケースを紹介します。パスポートと大部分の現金、そして、予備のクレジットカードを下記の貴重品ポーチに入れ、首からかけて服の内側に入れ、スリやひったくりの対策をします。
DSC01513普通のお財布は日本と同じくズボンのポケットに入れますが、最低限の現金とクレジットカードのみにして、例え、スリにあっても被害を最小限にくい止めるために現金を分けて管理します。もちろん、現金の入れ替えはホテルの部屋で、1日使う分だけど財布に入れるようにします。
旅行グッズのお店に行くと、様々なセーフティー対策グッズが販売されていますので、各自、自分に適したスタイルを見つけて下さい。
盗難に遭わないことがベストですが、もし、盗難にあった場合の大変さも紹介しておきましょう。私自身も気を付けているつもりなのですが、盗難に遭ってしまったことがあります。今回は、添乗員さんが付いているので、そのような対応にも慣れているでしょうが、私が、盗難にあったときは、一人旅です。すべて自分で解決する必要があります。まず、警察に行って、盗難にあったことを説明します。クレジットカードを盗まれたときは、警察の電話でカードのストップをしたこともありました。(クレジットカード番号を別に控えておくこともポイントです。)その後、被害届を書くのですが・・・今、普通に説明してきましたが、海外で、警察に行っているので、当然、英語でやっているのです。盗難にあって、アップアップしているときに、被害届を英語で書こうとしたとき、”BLOCK CAPITAL”の文字が。 この単語の意味が解らず、数分間固まってしまったことがありました。盗難にあった自分の愚かさだけでなく、自分の語学力の無さまで露呈してしまい、かなり、ブルーな気分になってしまいました。盗難にあってしまった後が、いかに大変か、想像できましたでしょうか。
最後に、追加のコメントとして、盗難の被害を軽減するためにも、海外旅行保険の加入をお勧めします。加入済の人は、その条件を確認して下さい。現地警察での被害の証明書も必要だと思います。ただ、現金の盗難は保険では補填されませんので、特に、注意して下さい。

永世中立国スイス

ドイツに在住していたときの研究室のボスはスイス人でした。研究室の同僚として最も仲良くなった友人の一人もスイス人でした。その彼から聞いたスイスから見たヨーロッパに関して、そんな話題をしたいと思います。
スイスと言えば、我々の世代では、「アルプスの少女ハイジ」のイメージが強いと思いますが、「永世中立国」というイメージも次に浮かびます。「永世中立国」とは何か説明できるでしょうか。
今回のヨーロッパ研修旅行で、イタリア、スイス、ドイツ、フランスと周遊しますが、地理学的に中央に存在するのがスイスです。ヨーロッパの中での強国と呼ばれるドイツ・フランス・イタリアに囲まれるように小国スイスは存在するのです。平和のために永世中立国への道を選んだというより、スイスのアイデンティティを周りの強国から守るため、そんな理由で永世中立国になった、そんな感じを個人的には持っています。
永世中立国であるので、平和を意識して軍隊がないのかと言えば、逆に、スイス軍は国防のために存在し、また、徴兵制も残っています。(研究室で研究を続けるために徴兵されない方法などを話し合っていました。)そんなスイス軍が日本の近くで活躍していることをどれくらいの人が知っているのでしょうか。研究室の友人であるスイス人から聞いて知ったのですが、韓国と北朝鮮の国境警備に永世中立国であるスイスの軍隊が駐在しているのです。平和に対する貢献の仕方を考えさせられる情報であり、日本人である私が知らなかったことを恥ずかしくも思った出来事でした。
DSC01507スイス軍にちなんで、お土産の定番であるスイスのアーミーナイフが手元にあったので写真をアップしました。今回の旅行で確かめてみたい「永世中立国スイス」の話があります。スイスは、国際紛争に巻き込まれないために食料、具体的には、小麦の備蓄を行っています。そのため、古い小麦から使用していくため、スイスのパンは、あまり美味しくないらしいのです。何度もスイスを訪れたことはありますが、そのような印象を持ったことはなく、イタリア、スイス、ドイツと周遊する中で、パンの味をしっかり食べ比べをしたいと考えています。

海外旅行のリスク

ヨーロッパ研修旅行は楽しい旅行にしてもらいたいのですが、ここ数年、テロのニュースが続いていますので、避けては通れない話題ですので、海外旅行のリスクについて考えていきたいと思います。
テロ事件が続くことで、海外旅行者が減っているそうです。実際に、本研修旅行も40名の参加者を募ると例年すぐに埋まっていたところ、今年は、時間がかかったそうです。テロのニュースを聞くことで保護者の方は心配になると思いますが、そこまで本当に心配しなければ、ならないことなのでしょうか。こちらのホームページで紹介されていますが(リンクが削除されてしまった)、海外に行ってテロで亡くなるリスクより、交通事故で亡くなるリスクの方が、はるかに高いのです。海外では、特に交通事故に気を付けるべきなのです。

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私が、ドイツに在住していたときに所有していた車の写真を探したら、こんなリゾート感満載の写真しかなく、また、若かりしときの私も写ってしまっているのですが(現在、おっさんとなり見る影もないかもしれませんが)、見てもらいたいポイントは、車が左ハンドルであるというところです。海外では、車が右側通行であることは、頭では理解している人が多いでしょうが、体に染みついている人は、どの程度居るでしょうか?
P1010463こちらの写真は、イタリアの高速道路を走っていたときの写真だと思うのですが、高速の出口は、右側からです。今回の研修旅行では、バスでの移動が主になりますが、バスの乗降口も進行方向右側にあるはずです。日本の感覚だとバスの左側から乗ろうとしてしまい乗降口がないと思ってしまうこともあるでしょう。さらに、道路を横断するときも車が右側通行というのを思い知らされます。小学校のときに、横断歩道は、右見て左見て、もう1回、右見て、渡りましょうと習っていますが、これは、車が左側通行だから、歩行者から見て道路の手前側を車は右から来るため、最後に、もう一度、右を見ているのです。海外では、道路の横断も、左右、そして左と、体に染みつていないからゆえ、慎重に渡る必要があります。
交通事故のリスクの話をしましたが、やはり、テロのリスクも、無用に怖がる必要はないのですが、リスクを下げ、情報収集をすることは重要です。テロが起こるたびにメディアで紹介されていますが、外務省の「たびレジ」は登録しようと思っています。大学でも、「海外安全教育・危機管理セミナー」という講演会が開催されました。海外でのリスクを考え、予想し、行動することがポイントです。セミナーでパスポートはファスナー付きの内ポケットに入れましょうと紹介していましたが、私個人は、完全には賛同できません。理由は、拳銃も内ポケットに入れる習慣があるからです。パスポートを取り出そうとして、拳銃を取り出そうとしていることと間違えられないのか、そういった行動の予測も重要になってきます。
テロ対策として、人込みの場所に行かない、観光地に行かないなど、旅行での無理難題もあります。我々が行くヨーロッパは、夏のハイシーズンの時期です。最も服装も身軽になる時期ですので、ライフルや爆弾を隠し持つには、厚着が必要となり、変に厚着の人が居れば、警戒するべきシーズンでしょう。

リスクの話では、盗難のリスクについても書きたかったのですが、またの機会にしたいと思います。

旅のお金

昨日、学生から、「ヨーロッパ研修旅行にお金はいくらくらい持っていけば良いですか?」と質問された。これは答えるのが非常に難しい質問である。例えば、京都に旅行に行くのにいくら持っていくか聞かれたら、「人それぞれでしょう」と答えるだろう。修学旅行のように小遣いが決まっている訳でもないので、研修旅行も「人それぞれ」である。
ただ、ヨーロッパという地に向かうのに心細いと感じているかもしれないので、一緒にいくら持っていくか考えていきたい。基本的な交通費(飛行機やバスなど)は、旅行代金に含まれているので、最低限必要なお金は食費となる。旅行代金に含まれない食事の回数を数え上げると
昼食:10回  夕食:9回
となる。ただ、食事が付いている回でもホテルでの朝食は問題ないが、昼食や夕食の飲み物代は別のようである。(アメリカや日本と違いレストランで無料の水が出てくる習慣がないので、必要最低限なお金としてカウントする。)
飲み物代: 7回(食事の付いている昼・夜)
続いて、1回あたりの平均食費を考えてみる。ヨーロッパの物価は日本と同じ程度と考えてよいと思われるので(スイスの食費は例外的に高いが)、食事も観光地価格であろうと想像して、
昼食:10ユーロ 夕食:20ユーロ 飲み物代:5ユーロ
としてみた。10×10+20×9+5×(10+9+7)=410 およそ400ユーロである。飲み物代の目安として、ミネラルウォーターだと5ユーロもしないと思うが、フランスでワインを飲むとしたら、もっと掛かるだろうし、もちろん、もっと豪勢なレストランで食事をしたいのか、逆にスーパーでパンとジュースを買って公園で食べるなど工夫する余地は大いにある。
この食費をベースに各自お土産代や自由時間で地下鉄を乗るとか美術館に行く代金を考えて必要額を見積もってもらいたい。

続いて、どのように持っていくかを紹介したい。私自身は主にクレジットカードを使う予定である。クレジットカードであれば、予め必要額を計算する必要もなく、現地で使った額だけ銀行から引き落とされるので非常に楽である。
しかし、学生の場合はクレジットカードを持っていない方が普通なので、その場合は現金で持っていくか、トラベラーズチェックにするかの選択となる。トラベラーズチェックとは、バックパッカーとして学生時代に最初に海外旅行に行ったときも使った決済手段だが、旅行用の小切手のことである。サインを2か所すると換金できるので、両替所や銀行で換金の直前に2か所目のサインをし現地通貨を受け取る。サインが2か所必要なため紛失や盗難に強いという長所があるが、両替の手数料がバカにならないので、最近は使っていない。上記の必要額の試算を考えると思った以上に大金ではないので、現金で持っていくのも有力かもしれない。
DSC01512こちらの現金は、スイスフランである。机の引き出しの奥に眠っていたスイスフランを引っ張り出してきた。食費の試算はユーロ建てで計算したが、アンデルマット・インターラーケン・ユングフラウといったスイスの街(場所)を通過する。スイスは、ユーロ通貨に加盟していない国なのである。(EUそのものに加盟していない。)少額のスイスフランを準備するのか、観光地だとユーロは使えるだろうとユーロ通貨で通すのか判断は迷うところである。

最後に旅のTipとして、日本円も持っていくことをお勧めする。両替は、両替する度に手数料が取られ目減りする。ユーロに大量に両替して、最後余ったから、ユーロを日本円に戻すという作業を基本しない方が良い。ちょうど使い切る程度の両替をするのが旅のエキスパートである。しかし、そんなに上手く行くはずがない。そこでのお勧めが1万円札を1枚か2枚を旅行グッズのどこかに隠しておいて、万が一のときにその1万円を現地通貨に両替できるよう保険として持っておくことである。フランスでは街中にCHANGEの看板を数多くみる。当初、両替は外国人が良く利用するから英語で表記しているのだと思っていたが、フランス語でも両替・為替のことをCHANGEというらしい(発音は全く知りませんが)。イギリスとフランスの言語的な交流の一例ではあるが、馴染み深い英語だと思ってCHANGEで1万円札を出しユーロに交換することも旅の思い出になるかもしれない。

(追記)
一昨年の研修旅行(今回とほぼ同じルート)に参加した学生と話す機会があった。そこで聞いたのが10万円は使ったという経験談である。一生懸命、頭で考えるより、こちらの金額の方が説得力があるのではないでしょうか。

(追記2)
旅行中での添乗員さん情報を一つ。上記のようにフランス・パリではCHANGEと書かれた両替所がたくさんあるのだが、ぼったくりのような手数料をとるところが、ほとんどだそうである(小さい字でボッタくり価格を記述)。というわけで、どこで両替するか添乗員さんに聞くのがベストである。(オペラ座近くの両替所を勧めていた。)

日曜日(ドイツ閉店法)

昨年の夏にドイツ留学時の日本人で新宿に集まって飲み会をしました。ドイツビールを飲みながら、昔話をしたのですが、その時にある友人が、
「最近のドイツでは、土曜でも夜の8時までスーパーマーケットが開いているらしいよ。」
と、教えてくれました。「へぇ~~」と驚くとともに時が経ったことを感じさせられました。
日本だとスーパーでの土曜8時は8時までしかやっていないと言われてしまいますが、ドイツでは夜8時まで遅くまで開店しているとなるのです。私が滞在していた2000年初頭は、土曜日は夕方4時まで開いていて、土曜日も買い物できるようになって便利になったっと、その前は土曜に買い物すら出来なかったという話を聞いたものでした。
ちなみに、土曜に買い物できるのが当たり前だと思っている日本人にとって日曜日も買い物できるのが、当たり前だと思っているでしょうが、ドイツでは、今も、日曜の買い物は当たり前ではありません。当時、私が通っていたショッピングモールの現在の営業時間を調べてみました。

ドイツのショッピングモールの営業時間 ブラウタルセンター(ウルム)
ドイツ語のページを読み解きますと、Mo-Saの表示が多いと思いますが、Montag(Monday)からSamstag(Saturday)までという意味です。日曜日So, Sonntag(Sunday)に営業しているのは、Fitnessフィットネスクラブだけみたいです。

日曜日に買い物をしないドイツの慣習は、閉店法という法律とキリスト教の影響からである。興味のある方は次の解説記事を読んでください。
閉店法の解説記事
Ladenöffnungszeit
簡単に説明すると、キリスト教では、日曜日(もしくは土曜日)が安息日であり、労働してはいけない日であり、教会で礼拝(ミサ)が行われます。その慣習をドイツでは法律でも定めていた(定めている)のです。
ドイツに住んでいる人は、平日や土曜に予め買い物をしておけばよいですが、観光客はどうすれば良いかと言うと、法律にも例外があり、駅やガソリンスタンドの売店は日曜も営業可能であり、また、レストランやカフェも例外なので、それほど困らないと思います。
残念ながら、今回の研修旅行でドイツ滞在中に日曜日を迎えませんが、イタリア・スイスの日曜日やフランスの日曜日を、平日と比較して、ヨーロッパのキリスト教文化をしっかりと垣間見てほしいと思います。