ユーロ為替

 

ユーロ通貨は、2002年から流通が始まりました。その2002年から現在までの日本円とユーロの交換レートの変動を示したチャートです。

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2002年ときは、アレクサンダー=フンボルトというドイツ政府系の財団から給与をもらい、博士研究員としてドイツに在留していたので、給与もユーロ建てでした。特に為替相場を意識することも少なかったのですが、2003年4月より日本学術振興会の海外特別研究員という身分にかわりました。それまでユーロで貰っていた給与が日本円に変化したのです。そこからは、どのタイミングで、日本円をユーロに交換しようかと悩ましい日々が始まりました。2003年から2004年にかけて、どんどん、円安・ユーロ高に進んでいき、日本円で貰っている給与が目減りしていきました。例えば、10万円を両替しても、1ユーロが110円だったら、909ユーロになるところが、円安が進み1ユーロが125円になれば、800ユーロしか受け取れないのです。為替の交換手数料も気になり、ドイツ在住の2年半の間、為替相場を強く意識した時代でした。
そんな為替相場を再度、意識するときがあります。海外に出かけるときです。普段使っている日本円を両替してユーロやドルなどで払うため、両替のレートが気になってきます。クレジットカードでの決済でも、カードの明細書に為替レートが書かれ計算されており重要です。

このようにチャートを眺めてみると、円とユーロの交換レートが、この15年で大きく変化してきたことを分かります。2008年の大きな変動は、リーマンショックによるものですが、ギリシャなどでのユーロ危機などの影響も垣間見られます。これからヨーロッパに旅行に出かけるなら、現地でユーロを使っていくわけですから、為替相場も現実的に実感させられることでしょう。今後のユーロ相場が現地での両替に影響を与えていくわけですが、例えば、イギリスでは、欧州連合(EU)離脱の是非を問う国民投票を6月23日に控えています。イギリスではポンドを使用しており、ユーロ通貨は使用していませんが、イギリスがEUに残留するのか離脱するのかは、ヨーロッパ経済に(世界経済にも)大きな影響を与え、ユーロ通貨の価値に変化をもたらすでしょう。経済学者ではないので、どのような影響があるのか詳しくないですが、ヨーロッパ研修旅行を通じて、経済の上でも海外と繋がっていることを感じて貰いたいと思います。

バチカン市国

ドイツで滞在していた研究室では、世界各地から研究者が集まっていました。あるときに「Who am I?」(私は誰でしょう)ゲームがなぜか始まりました。
「私は、ローマに住んでいます。」
ここでは、まだ、誰も答えられません。
「私の名前は、カルロ・ユゼフ・ヴォイティワです。」
このヒントで、他の人たちは、答えが分かってしまったのです。私は、誰か当てるゲームなのに名前を言ってしまうことの意味が分からずに居ました。そこで、別の誰かが
「ヨハネ・パウロ2世の本名だよ。」
と、教えてくれました。キリスト教カトリックのローマ法王ヨハネ・パウロ2世は、非常に長く法王の在位に就いていたため、その名前は、もちろん、知っていましたが、恥ずかしながら、その本名まで把握しておりませんでした。ただ、私以外はパウロ2世の本名を知っていたわけで、キリスト教の知識は、ヨーロッパ諸国では、教養というより常識に近いのかもしれません。
ローマ法王の住んでいるローマ、というより、イタリアの中に存在する別国家であるバチカン市国も、ヨーロッパ研修旅行で周る場所の一つです。前のブログで述べたようにユーロコインは国によってデザインが違います。バチカン市国もれっきとした国なので、ユーロコインのデザインもあります。

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バチカン市国を旅行した友人が、私がユーロコインを集めていると知り、お土産としプレゼントして貰った1ユーロと2ユーロのコインセットです。

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コインのデザインは、ヨハネ・パウロ2世の肖像となっています。その後、ローマ法王は、2005年からは「ベネディクト16世」に、2013年から今までは「教皇 フランシスコ」へと変わっており、そのたびに、コインのデザインを変わっているそうです。今回の訪問で、別のデザインのユーロコインをコレクションしようかと画策しています。

ビール紀行(Bierreise)

ドイツに在住していたとき最も楽しんだことはビールといっても過言ではありません。ドイツのビールは、基本的には、地元に根差した地ビールであり、また、各地に特徴的なビールが存在します。有名なものとして、日本人駐在員の多い街であるデュッセルドルフ近郊のアルトビールなどでしょうか。そんなビールを飲み比べる旅として、Bierreiseという単語がドイツ語にはあります。Bierがビールで、Reiseが旅という意味です。ドイツ各地を巡って様々なビールを飲んで楽しみたいのですが、ヨーロッパ研修旅行といった限られた時間では、今回は、ドイツ南部しか周れません(フランクフルトは南部ではないが)。そんな、ドイツ南部のビールを紹介します。
大学の講義でも、講義の90分以外に予習と復習をすることが重要なのですが、ドイツビールの予習をしました。たまたま、近所のスーパーへ買い物に出かけた際に見つけて、思わず買ってしまったビールです。

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レーベンブロイは、ドイツ南部のミュンヘンにある醸造所です。ラベルにカタカナで醸造所名が書いていることから分かるように、日本のビール会社とライセンス契約し、日本で製造されたビールのようですが、ドイツ気分を高めるビールとして最適ではないでしょうか。本場でもっと美味しい(十分美味しいのだが)ビールを飲もうと・・・
さて、上述のレーベンブロイのビールは、日本の一般的に飲まれるラガービールの系統ですが、ミュンヘンのビールといえば、白ビールが有名でしょう。白ビールは、一般的に上面発酵のビールであり、ラガーとは異なり、イギリスのエールやデュッセルドルフのアルトビールの仲間になります。ここで、普通の白ビールの紹介をせず変化球として、Weizenbierを紹介します。

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ドイツ南部でもミュンヘンの方は、白ビール(ドイツ語では、Weissbier)という表現を使用し、この言い方は、ドイツ全土に広がっているのですが、同じドイツ南部でもシュツットガルトの方では、小麦ビール(Weizenbier)という言い方をします。Weizenというドイツ語単語を見て、スーパーで飛びついて買ってしまう日本人は稀有だと思いますが、白ビールだと思い、グラスに注いだら、白くなかったではありませんか。白ビールも小麦から作られるので小麦ビールと同じ意味なのですが、白ビールが白い理由は、ビールの中に酵母が残っているからです。そのため、酵母という単語Hefeをつけて、シュツットガルトでは、白ビール Weissbier を Hefe Weizen と呼んだりもします。しかし、小麦から作ったビールでも酵母を濾過すれば、ラガービールのような色になるわけで、濾過した小麦ビールのことを Kristall Weizenと区別していました。
Hefe Weizenの酵母の味わいも楽しいのですが、夏の暑い日に、さっぱりした味わいのKristall Weizenを楽しむのも、また、至福の時間であり、夏のドイツに思いを寄せて、マニアックなWeizenを飲み干していました。

ユーロコイン

ヨーロッパのお金の話をしたいと思います。私がドイツに在住し3か月ほど経った2002年にユーロ通貨の流通が始まりました。ドイツマルクというドイツでしか通用しない通貨からヨーロッパの様々な国で共通して使用できるユーロへと変わった歴史的瞬間に立ち会ったのです。ドイツに在住している間、オーストリアやフランスには車で出かけていったこともありましたし、イタリアやギリシャ、ポルトガルなどへ飛行機で遊びにいったのですが、ユーロという共通の通貨のおかげで両替の手間が要らなく、また、ユーロでの高い・安いの金銭感覚(ドイツでの金銭感覚)をそのまま他の国でも為替を計算しなくても通用できるというのは、非常に楽でした。
そんなユーロ通貨が流通して数か月経ったある日、見知らぬコインのデザインが財布の中のユーロコインで見つかりました。ユーロの紙幣は各国共通なのですが、コインのデザインに関しては、片面は同じですが、もう一面は各国で独自のデザインをしていたのです。それまでドイツのデザインしか見てこなかったのが、観光客がドイツで使用したのか、イタリアのデザインが紛れ込んでいたのです。それ以降、様々な国のユーロコインを集めようとスーパーでの買い物後の小銭チェックや、ポルトガルまでコインをコンプリートしようと旅行にまで出かける始末でした。折角なので、そのコレクションを紹介しましょう。

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コインを収集する専用バインダーまで買って、各国の通貨を元にその国のことに思いを馳せていました。滞在した2年半の間に、ほとんどのコインを集まることができたのですが、例えばフィンランドの1セントと2セントコインが揃いませんでした。これは、フィンランドは物価が高いため1セントや2セント単位での物が販売されていないそうで、フィンランド国内でも1セントと2セントのコインがほとんど流通していないと聞きました。
2002年に12か国で始まったユーロ通貨ですが(正確には、バチカンやモナコなども)、現在、ユーロの加盟国だけでなく、ユーロ通貨を使用する国も大きく広がっているようです。そんな1つのヨーロッパの象徴であるようなユーロコインを旅行中に集めてみても(記念に写真で撮っておくだけでも)、面白いかもしれません。

 

ヨーロッパの電源プラグ

理系の教員なので、理系らしいブログテーマとして、日本では100Vの電源コンセントの話をしたいと思います。ヨーロッパ各国の電源電圧は200Vを超えていることが多く、携帯電話やデジカメなど日本の製品を海外に持っていった際に充電をどのようにするか悩ましいと思います。まずは、日本の電化製品のコンセント形状を写真を見てみましょう。

(留守番電話機)    (iPhone充電器)    (デジカメ用)

どれも同じように見えるかもしれませんが、実は2種類に分類することができます。具体的には、留守番電話用のコンセントは昔からあるタイプのACアダプターであり、iPhoneの充電器やアンドロイドと同じUSB口を持つデジカメ用のコンセントプラグは、専門用語でスイッチング電源と呼ばれるものです。どちらも、交流電圧を直流電圧に変換するという点では同じなのですが、その原理が違います。
若干大きめの昔ながらのACアダプタは、中にトランスとも呼ばれる電源コイルが入っており、コイルの巻き数で交流電圧の大きさを変換しています。そのため、目的の直流電圧を得るためには、適当な巻き数の比率が必要であり、日本の100V用に作られた製品は、海外の200Vなど違う電圧では使用できないのです。
ドイツへの留学時に米を炊飯器で炊いて食べたいと考え、3合炊きの小型炊飯器とドイツの230Vを100Vに変換するトランスを持っていったことを思い出します。炊飯器という大きな電力を使用するトランスは、値段も高くなるだけでなく、大きくもなり、重さも数kgしたと思います。それをリュックに入れ、お米のためと担いで運んだ記憶があります。
さて、では、携帯の充電器をよく見てみましょう。Input: 100-240V~50-60Hz こんな記述が読み取れるでしょう。この電源プラグが、100Vから240Vまで対応可能であるという意味です。スイッチング電源と呼ばれる半導体の技術が、海外でも使用できるコンセントプラグを可能としています。
難しくなってしまいますが簡単に原理を紹介すると、作りたい直流電圧に対して、電圧が低いときはONにして、電圧が高いときはOFFにする、そんな半導体素子を準備します。このONとOFFのスイッチングを高速で実施することで、直流電圧を生み出しているのです。そのため、元の交流電圧が何Vであるかといったことも考える必要がなく、また、小型で軽量の半導体素子で電圧の変換が出来ているのです。スイッチング電源は、この15年ほどで急速に広がった技術で、もっと早く広がっていれば、炊飯器のための重いトランスを運ぶ必要もなかったかもしれません。

最後に、電源電圧は対応可能でも、コンセント形状が違うことには注意して下さい。ドイツやスイスなど各国でもコンセントの形が違うのですが、グランド端子を使用せずにコンセントにプラグを差し込むだけであれば、簡単なプラグ変換だけで対応可能です。下の海外プラグも100円ショップで買ったものですが、iPhoneやデジカメの充電には使用できるのではと思います。

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