ヨーロッパのお金の話をしたいと思います。私がドイツに在住し3か月ほど経った2002年にユーロ通貨の流通が始まりました。ドイツマルクというドイツでしか通用しない通貨からヨーロッパの様々な国で共通して使用できるユーロへと変わった歴史的瞬間に立ち会ったのです。ドイツに在住している間、オーストリアやフランスには車で出かけていったこともありましたし、イタリアやギリシャ、ポルトガルなどへ飛行機で遊びにいったのですが、ユーロという共通の通貨のおかげで両替の手間が要らなく、また、ユーロでの高い・安いの金銭感覚(ドイツでの金銭感覚)をそのまま他の国でも為替を計算しなくても通用できるというのは、非常に楽でした。
そんなユーロ通貨が流通して数か月経ったある日、見知らぬコインのデザインが財布の中のユーロコインで見つかりました。ユーロの紙幣は各国共通なのですが、コインのデザインに関しては、片面は同じですが、もう一面は各国で独自のデザインをしていたのです。それまでドイツのデザインしか見てこなかったのが、観光客がドイツで使用したのか、イタリアのデザインが紛れ込んでいたのです。それ以降、様々な国のユーロコインを集めようとスーパーでの買い物後の小銭チェックや、ポルトガルまでコインをコンプリートしようと旅行にまで出かける始末でした。折角なので、そのコレクションを紹介しましょう。
コインを収集する専用バインダーまで買って、各国の通貨を元にその国のことに思いを馳せていました。滞在した2年半の間に、ほとんどのコインを集まることができたのですが、例えばフィンランドの1セントと2セントコインが揃いませんでした。これは、フィンランドは物価が高いため1セントや2セント単位での物が販売されていないそうで、フィンランド国内でも1セントと2セントのコインがほとんど流通していないと聞きました。
2002年に12か国で始まったユーロ通貨ですが(正確には、バチカンやモナコなども)、現在、ユーロの加盟国だけでなく、ユーロ通貨を使用する国も大きく広がっているようです。そんな1つのヨーロッパの象徴であるようなユーロコインを旅行中に集めてみても(記念に写真で撮っておくだけでも)、面白いかもしれません。