recovering from jet lag

リオのオリンピックをテレビ観戦して昼夜逆転している人もいるかと思います。今回は、海外旅行における時差ボケの話をしたいと思います。時差ボケを英語で何と言うか知っていますか?
答えは、”jet lag”です。個人的に好きな英単語の一つなのですが、直訳すると、「ジェット飛行機によるズレ」といった感じでしょうか、文明の発達により、時差ボケを感じるほど航空機が進歩したことが言葉の意味の中に含まれるのが好きな理由です。昔、船で海外旅行・渡航をしていたときは、時差ボケは無かったそうです。ちなみに、オリンピック観戦による昼夜逆転は、日本語では時差ボケでも構わないかもしれませんが、英語では、時差ボケと言えないでしょう。そんな言葉の深い意味を含めて日本語と英語を使いこなしていくには、将来、コンピュータによる自動翻訳が発展しても、語学学習は、必要なままでしょう。
さて、そんな時差ボケですが、私は、海外に数多く渡航していても、未だに苦手です。飛行機の中に乗り込むと同時に時計を現地時刻に合わせる・飛行機の中ではひたすら眠る・朝と夕方に日光を浴びて体を覚ます、様々な時差ボケ解消法を実施してきましたが、苦手なものは苦手で、普段、規則正しい生活をしている私の性格上、時差ボケとはトコトン付き合うことと決めました。
ヨーロッパ研修旅行において、引率教員として、時差ボケで戦力にならなかったでは問題だと思い、今回は、秘策を実施しました。研修旅行の出発10日ほど前なのですが、現在、私は、パリのシャルルドゴール空港に居ます。時差ボケを解消するために、早めに現地入りをすることに決めたのです。

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と、いうのは、冗談ですが、パリに来ているのは本当です。実は、私の研究分野における国際会議がフィンランドで行われるため、フィンランドに向かう途中のトランジットとして、パリに途中下車しているのです。学会から日本に戻って3日で再びヨーロッパへと出発なので、時差ボケに弱い私も今回は大丈夫ではないかと期待しています。

レストランでのメニュー

私にとっての旅の醍醐味の一つである食事について話したいと思います。大学院生であった頃、初めて国際会議に出席・発表したの場所が、スイスのローザンヌでした。スイスは、ドイツ語・フランス語・イタリア語の地域があり、ローザンヌはオリンピック委員会の本部が置かれている都市でもあり、ジュネーブからも近くフランス語文化圏に属する街となっています。
最初の国際会議だということもあり様々な国の人たちと研究の話はもちろん、文化やゴシップなど様々な会話を楽しみました。ある晩、その流れで、4~5人でフランス料理を食べに街へ繰り出しました。日本人は他大学の先生と私の2人で、あとのメンバーの国籍は残念ながら覚えていません。適当なレストランに入って、英語でメニューを下さいとお願いしたら、フランス語のメニューしか置いていないことが判明。どうしようと迷っていたら、研究者の一人がフランス語が母国語でもないのにメニューのフランス語を私に説明してくれました。そのメンバーの中でメニューを読めなかったのは私だけだったようで、私の中での強烈な国際会議デビューの一コマでした。
日本でレストランのメニューと言えば、ファミレスなど写真が多用されており、言葉が分からなくても注文できますが、ヨーロッパのレストランでメニューに写真が載っていることは、ほとんどありません。言葉から、どんなメニューか想像して注文するのです。最近では、想像通りのメニューが出てきたときの喜びと、想像と違ったときのチャレンジ精神も、旅では、共に楽しむようにしています。ただ、現在、フランス語のメニューが読めるようになったのではなく、メニューの構成から、前菜が最初の方にあって、メインの料理はこの辺かなぁと値段を見ながら想像して、ほんの少しのフランス語の知識で解読しようと試みているだけです。いきなりフランス語のメニューはハードルが高いにせよ、日本語のメニューが置いてあるレストランでも英語メニューとの違いがあったり(日本人には値段の高い料理だけを載せているレストランもある)、英語メニューからしっかり想像力を働かして、注文することにトライして欲しいと思います。
DSC01519お酒が好きな場合、酒に関する単語だけは、すんなり覚えられるかも。ワインを注文するときも、最も値段の安いテーブルワインを注文して、お店のワインに対する姿勢を感じるのも通なのですが・・・(こっちは、英語メニューよりハードルが高いかなぁ。)私自身は、旅行に行くのが待ち遠しく、スーパーで見つけたイタリアワイン(キャンティー)を家で既に独りで楽しんでいます。

海外旅行のリスク2

海外旅行のリスクとして、テロのリスクと交通事故のリスクについて前々回のブログで紹介しましたが、今回は、盗難のリスクについて考えていきたいと思います。ヨーロッパ研修旅行では、イタリア・スイス・ドイツ・フランスと巡りますが、特に最初の滞在国、イタリアでは盗難に気を付けるべきです。4カ国を個人的に治安の悪い順に並べると、イタリア > フランス >> ドイツ ~ スイス こんな気がします。海外旅行の慣れていない時期のイタリアですから、治安、具体的には、盗難に特に注意する必要があります。
あるとき、イタリアの街角を歩いていたら、老婆と子供が手を繋いでいて、その横を通り過ぎようしました。そのとき、老婆が何食わぬ顔で私のコートのポケットに手を入れてきて財布や小銭を探し出したのです。私も警戒をしていたので、老婆の手を取って、「お前、何やっとるんや!」と関西弁で捲りたてようとしたら、その老婆は、演技派で、まるで私がその老婆に暴力を働いているような演技を始めたのです。(周囲からは私が悪者のように見える演技です。)コートのポケットに手を突っ込まれて、こちらは、かなりムカついていたのですが、その演技を見て、プロの泥棒だなぁと若干、感心した自分も居ました。そんなプロの泥棒が街角にいる国、それがイタリアだと思いますので、貴重品の管理は、特に気を付けてください。
では、具体的に、貴重品をどう管理するのか、私のケースを紹介します。パスポートと大部分の現金、そして、予備のクレジットカードを下記の貴重品ポーチに入れ、首からかけて服の内側に入れ、スリやひったくりの対策をします。
DSC01513普通のお財布は日本と同じくズボンのポケットに入れますが、最低限の現金とクレジットカードのみにして、例え、スリにあっても被害を最小限にくい止めるために現金を分けて管理します。もちろん、現金の入れ替えはホテルの部屋で、1日使う分だけど財布に入れるようにします。
旅行グッズのお店に行くと、様々なセーフティー対策グッズが販売されていますので、各自、自分に適したスタイルを見つけて下さい。
盗難に遭わないことがベストですが、もし、盗難にあった場合の大変さも紹介しておきましょう。私自身も気を付けているつもりなのですが、盗難に遭ってしまったことがあります。今回は、添乗員さんが付いているので、そのような対応にも慣れているでしょうが、私が、盗難にあったときは、一人旅です。すべて自分で解決する必要があります。まず、警察に行って、盗難にあったことを説明します。クレジットカードを盗まれたときは、警察の電話でカードのストップをしたこともありました。(クレジットカード番号を別に控えておくこともポイントです。)その後、被害届を書くのですが・・・今、普通に説明してきましたが、海外で、警察に行っているので、当然、英語でやっているのです。盗難にあって、アップアップしているときに、被害届を英語で書こうとしたとき、”BLOCK CAPITAL”の文字が。 この単語の意味が解らず、数分間固まってしまったことがありました。盗難にあった自分の愚かさだけでなく、自分の語学力の無さまで露呈してしまい、かなり、ブルーな気分になってしまいました。盗難にあってしまった後が、いかに大変か、想像できましたでしょうか。
最後に、追加のコメントとして、盗難の被害を軽減するためにも、海外旅行保険の加入をお勧めします。加入済の人は、その条件を確認して下さい。現地警察での被害の証明書も必要だと思います。ただ、現金の盗難は保険では補填されませんので、特に、注意して下さい。

永世中立国スイス

ドイツに在住していたときの研究室のボスはスイス人でした。研究室の同僚として最も仲良くなった友人の一人もスイス人でした。その彼から聞いたスイスから見たヨーロッパに関して、そんな話題をしたいと思います。
スイスと言えば、我々の世代では、「アルプスの少女ハイジ」のイメージが強いと思いますが、「永世中立国」というイメージも次に浮かびます。「永世中立国」とは何か説明できるでしょうか。
今回のヨーロッパ研修旅行で、イタリア、スイス、ドイツ、フランスと周遊しますが、地理学的に中央に存在するのがスイスです。ヨーロッパの中での強国と呼ばれるドイツ・フランス・イタリアに囲まれるように小国スイスは存在するのです。平和のために永世中立国への道を選んだというより、スイスのアイデンティティを周りの強国から守るため、そんな理由で永世中立国になった、そんな感じを個人的には持っています。
永世中立国であるので、平和を意識して軍隊がないのかと言えば、逆に、スイス軍は国防のために存在し、また、徴兵制も残っています。(研究室で研究を続けるために徴兵されない方法などを話し合っていました。)そんなスイス軍が日本の近くで活躍していることをどれくらいの人が知っているのでしょうか。研究室の友人であるスイス人から聞いて知ったのですが、韓国と北朝鮮の国境警備に永世中立国であるスイスの軍隊が駐在しているのです。平和に対する貢献の仕方を考えさせられる情報であり、日本人である私が知らなかったことを恥ずかしくも思った出来事でした。
DSC01507スイス軍にちなんで、お土産の定番であるスイスのアーミーナイフが手元にあったので写真をアップしました。今回の旅行で確かめてみたい「永世中立国スイス」の話があります。スイスは、国際紛争に巻き込まれないために食料、具体的には、小麦の備蓄を行っています。そのため、古い小麦から使用していくため、スイスのパンは、あまり美味しくないらしいのです。何度もスイスを訪れたことはありますが、そのような印象を持ったことはなく、イタリア、スイス、ドイツと周遊する中で、パンの味をしっかり食べ比べをしたいと考えています。

海外旅行のリスク

ヨーロッパ研修旅行は楽しい旅行にしてもらいたいのですが、ここ数年、テロのニュースが続いていますので、避けては通れない話題ですので、海外旅行のリスクについて考えていきたいと思います。
テロ事件が続くことで、海外旅行者が減っているそうです。実際に、本研修旅行も40名の参加者を募ると例年すぐに埋まっていたところ、今年は、時間がかかったそうです。テロのニュースを聞くことで保護者の方は心配になると思いますが、そこまで本当に心配しなければ、ならないことなのでしょうか。こちらのホームページで紹介されていますが(リンクが削除されてしまった)、海外に行ってテロで亡くなるリスクより、交通事故で亡くなるリスクの方が、はるかに高いのです。海外では、特に交通事故に気を付けるべきなのです。

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私が、ドイツに在住していたときに所有していた車の写真を探したら、こんなリゾート感満載の写真しかなく、また、若かりしときの私も写ってしまっているのですが(現在、おっさんとなり見る影もないかもしれませんが)、見てもらいたいポイントは、車が左ハンドルであるというところです。海外では、車が右側通行であることは、頭では理解している人が多いでしょうが、体に染みついている人は、どの程度居るでしょうか?
P1010463こちらの写真は、イタリアの高速道路を走っていたときの写真だと思うのですが、高速の出口は、右側からです。今回の研修旅行では、バスでの移動が主になりますが、バスの乗降口も進行方向右側にあるはずです。日本の感覚だとバスの左側から乗ろうとしてしまい乗降口がないと思ってしまうこともあるでしょう。さらに、道路を横断するときも車が右側通行というのを思い知らされます。小学校のときに、横断歩道は、右見て左見て、もう1回、右見て、渡りましょうと習っていますが、これは、車が左側通行だから、歩行者から見て道路の手前側を車は右から来るため、最後に、もう一度、右を見ているのです。海外では、道路の横断も、左右、そして左と、体に染みつていないからゆえ、慎重に渡る必要があります。
交通事故のリスクの話をしましたが、やはり、テロのリスクも、無用に怖がる必要はないのですが、リスクを下げ、情報収集をすることは重要です。テロが起こるたびにメディアで紹介されていますが、外務省の「たびレジ」は登録しようと思っています。大学でも、「海外安全教育・危機管理セミナー」という講演会が開催されました。海外でのリスクを考え、予想し、行動することがポイントです。セミナーでパスポートはファスナー付きの内ポケットに入れましょうと紹介していましたが、私個人は、完全には賛同できません。理由は、拳銃も内ポケットに入れる習慣があるからです。パスポートを取り出そうとして、拳銃を取り出そうとしていることと間違えられないのか、そういった行動の予測も重要になってきます。
テロ対策として、人込みの場所に行かない、観光地に行かないなど、旅行での無理難題もあります。我々が行くヨーロッパは、夏のハイシーズンの時期です。最も服装も身軽になる時期ですので、ライフルや爆弾を隠し持つには、厚着が必要となり、変に厚着の人が居れば、警戒するべきシーズンでしょう。

リスクの話では、盗難のリスクについても書きたかったのですが、またの機会にしたいと思います。

日曜日(ドイツ閉店法)

昨年の夏にドイツ留学時の日本人で新宿に集まって飲み会をしました。ドイツビールを飲みながら、昔話をしたのですが、その時にある友人が、
「最近のドイツでは、土曜でも夜の8時までスーパーマーケットが開いているらしいよ。」
と、教えてくれました。「へぇ~~」と驚くとともに時が経ったことを感じさせられました。
日本だとスーパーでの土曜8時は8時までしかやっていないと言われてしまいますが、ドイツでは夜8時まで遅くまで開店しているとなるのです。私が滞在していた2000年初頭は、土曜日は夕方4時まで開いていて、土曜日も買い物できるようになって便利になったっと、その前は土曜に買い物すら出来なかったという話を聞いたものでした。
ちなみに、土曜に買い物できるのが当たり前だと思っている日本人にとって日曜日も買い物できるのが、当たり前だと思っているでしょうが、ドイツでは、今も、日曜の買い物は当たり前ではありません。当時、私が通っていたショッピングモールの現在の営業時間を調べてみました。

ドイツのショッピングモールの営業時間 ブラウタルセンター(ウルム)
ドイツ語のページを読み解きますと、Mo-Saの表示が多いと思いますが、Montag(Monday)からSamstag(Saturday)までという意味です。日曜日So, Sonntag(Sunday)に営業しているのは、Fitnessフィットネスクラブだけみたいです。

日曜日に買い物をしないドイツの慣習は、閉店法という法律とキリスト教の影響からである。興味のある方は次の解説記事を読んでください。
閉店法の解説記事
Ladenöffnungszeit
簡単に説明すると、キリスト教では、日曜日(もしくは土曜日)が安息日であり、労働してはいけない日であり、教会で礼拝(ミサ)が行われます。その慣習をドイツでは法律でも定めていた(定めている)のです。
ドイツに住んでいる人は、平日や土曜に予め買い物をしておけばよいですが、観光客はどうすれば良いかと言うと、法律にも例外があり、駅やガソリンスタンドの売店は日曜も営業可能であり、また、レストランやカフェも例外なので、それほど困らないと思います。
残念ながら、今回の研修旅行でドイツ滞在中に日曜日を迎えませんが、イタリア・スイスの日曜日やフランスの日曜日を、平日と比較して、ヨーロッパのキリスト教文化をしっかりと垣間見てほしいと思います。

ヨーロッパの飲み水事情

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自宅にある富士山の天然水ウォーターサーバを眺めていて、ヨーロッパの飲み水を比較してみたくなりました。
「水が合わない」という表現はありますが、旅行の場合は、まさに水が合わない場合もあります。ドイツなどヨーロッパの国は日本と同じく水道水が飲める国が多いのですが、水の種類が異なります。「軟水」と「硬水」と呼ばれる違いです。日本の水は「軟水」ですが、ヨーロッパでは「硬水」がほとんどです。「硬水」とは水の中のミネラル分が多いことであり、真の意味でのミネラルウォーターと呼べます。ドイツに在住していたときに、ガラスコップを洗って流しの横でひっくり返して乾かしたら、コップに白い粉がこびり付きました。しっかり洗っても硬水ですすぐと、そのミネラル分が乾いて白い粉になってしまうのです。当然、その水を飲むと味がします。好き嫌いの問題ですが、日本人は飲みなれていないため、嫌いと感じる人が多いと思います。
そんなヨーロッパを旅行していて「水が合わない」と思った場合の解決策を紹介しましょう。
DSC01506ヨーロッパの中で軟水の産地は珍しいのですが、フランスのVolvicなら、手に入れることができるのではないでしょうか。日本人が普段飲んでいる軟水に分類されるので、日本にも輸入されており、上の写真は、大学の自動販売機のものです。(ヨーロッパ研修旅行の予習と称して、フランス産の水を飲むのもあり?)
Volvicが手に入らない場合の処置として、ガンガンに冷やして飲みましょう。教員の親睦旅行でサントリーの天然水工場を訪れたことがあったのですが、そこで、軟水と硬水の利き水・飲み比べをしました。そのとき、ドイツ文学科の先生が隣だったのですが、ドイツ在住歴のある私や、ヨーロッパに詳しいドイツ文学科の先生であれば、楽勝だろうと高をくくっていたのですが、意外に難しかったのです。難しかった理由が、軟水、硬水の味を良く知っていても、しっかり冷えた状態でサーブされいたからです。水も冷えていたら、味が分かり難くなるのだなぁと感じた出来事でした。レストランで氷で冷えたミネラルウォーターが出てくれば、硬水でも美味しいと感じるのではないでしょうか。

レストランでの水の話になったので、炭酸水の話題を知っておくべきかと思います。水の種類がミネラル分の量で「軟水」と「硬水」に分類できると言いましたが、それ以外に、ヨーロッパでは、炭酸入りのミネラルウォーターを飲む習慣があります。水に二酸化炭素を溶かして、ちょうどウィスキーを割る甘くないサイダーを、料理などを機会に飲むのです。「ガス入り」か「ガスなし」かも好みの分かれる問題なので、いろりろ挑戦してみて下さい。ちなみにスーパーマーケットで売っているミネラルウォーターもガス入り・ガスなしの両方があります。

本場のエスプレッソ(バール)

先日、新宿を歩いていたら、見覚えのあるコーヒーチェーン店があったので、思わず入ってしまった。
DSC01504セガフレードは、ドイツに滞在していたときに、滞在地の中央駅に入っていたコーヒー店である。出かける際に、電車の時間まで20分あるなど、ちょっとした時間つぶしにエスプレッソやカプチーノを飲んでいた。
そこで、今回は、イタリアのコーヒー事情を話したいと思います。セガフレードはイタリアに本社があるそうだが、イタリア内では、コーヒー豆の販売などで喫茶店は出していないそうです。(ちなみに、イタリアにはスターバックスもないらしい。)
出店していない理由が、イタリアではコーヒー文化が根付いていないからではなく、むしろ、逆で、たくさんの小さな喫茶店がすでに存在するからです。イタリアでは喫茶店のことをバール(バル)と呼び、ちょっと一息と気軽にエスプレッソをすすります。ここで、バール講座。バールに入ってカウンターでメニューを見ると値段が2つ書いてあります。これは、同じエスプレッソを飲むのにも、席に座って飲むか、立ったままカウンターで飲むかで値段が違うからです。
エスプレッソ(Espresso)の語源は、英語でいうエキスプレス(急行)Expressです。イタリア滞在中、バールに入り、エスプレッソを注文し、砂糖を入れて30秒ほどかき混ぜると、冷めてくるので、その状態を一気に、急行のごとく飲み干し(もちろん、立ったままの安い値段の方)、コーヒーの余韻を口に貯めながら、バールを後にする、そんなイタリア文化を体験してみては、如何でしょうか。
DSC01503 DSC01500コーヒーが苦手な人には、イタリアンジェラートも本場はイタリアですから、食文化から異文化を感じることをお勧めします。

ユーロ為替

 

ユーロ通貨は、2002年から流通が始まりました。その2002年から現在までの日本円とユーロの交換レートの変動を示したチャートです。

Yen-Eur

2002年ときは、アレクサンダー=フンボルトというドイツ政府系の財団から給与をもらい、博士研究員としてドイツに在留していたので、給与もユーロ建てでした。特に為替相場を意識することも少なかったのですが、2003年4月より日本学術振興会の海外特別研究員という身分にかわりました。それまでユーロで貰っていた給与が日本円に変化したのです。そこからは、どのタイミングで、日本円をユーロに交換しようかと悩ましい日々が始まりました。2003年から2004年にかけて、どんどん、円安・ユーロ高に進んでいき、日本円で貰っている給与が目減りしていきました。例えば、10万円を両替しても、1ユーロが110円だったら、909ユーロになるところが、円安が進み1ユーロが125円になれば、800ユーロしか受け取れないのです。為替の交換手数料も気になり、ドイツ在住の2年半の間、為替相場を強く意識した時代でした。
そんな為替相場を再度、意識するときがあります。海外に出かけるときです。普段使っている日本円を両替してユーロやドルなどで払うため、両替のレートが気になってきます。クレジットカードでの決済でも、カードの明細書に為替レートが書かれ計算されており重要です。

このようにチャートを眺めてみると、円とユーロの交換レートが、この15年で大きく変化してきたことを分かります。2008年の大きな変動は、リーマンショックによるものですが、ギリシャなどでのユーロ危機などの影響も垣間見られます。これからヨーロッパに旅行に出かけるなら、現地でユーロを使っていくわけですから、為替相場も現実的に実感させられることでしょう。今後のユーロ相場が現地での両替に影響を与えていくわけですが、例えば、イギリスでは、欧州連合(EU)離脱の是非を問う国民投票を6月23日に控えています。イギリスではポンドを使用しており、ユーロ通貨は使用していませんが、イギリスがEUに残留するのか離脱するのかは、ヨーロッパ経済に(世界経済にも)大きな影響を与え、ユーロ通貨の価値に変化をもたらすでしょう。経済学者ではないので、どのような影響があるのか詳しくないですが、ヨーロッパ研修旅行を通じて、経済の上でも海外と繋がっていることを感じて貰いたいと思います。

バチカン市国

ドイツで滞在していた研究室では、世界各地から研究者が集まっていました。あるときに「Who am I?」(私は誰でしょう)ゲームがなぜか始まりました。
「私は、ローマに住んでいます。」
ここでは、まだ、誰も答えられません。
「私の名前は、カルロ・ユゼフ・ヴォイティワです。」
このヒントで、他の人たちは、答えが分かってしまったのです。私は、誰か当てるゲームなのに名前を言ってしまうことの意味が分からずに居ました。そこで、別の誰かが
「ヨハネ・パウロ2世の本名だよ。」
と、教えてくれました。キリスト教カトリックのローマ法王ヨハネ・パウロ2世は、非常に長く法王の在位に就いていたため、その名前は、もちろん、知っていましたが、恥ずかしながら、その本名まで把握しておりませんでした。ただ、私以外はパウロ2世の本名を知っていたわけで、キリスト教の知識は、ヨーロッパ諸国では、教養というより常識に近いのかもしれません。
ローマ法王の住んでいるローマ、というより、イタリアの中に存在する別国家であるバチカン市国も、ヨーロッパ研修旅行で周る場所の一つです。前のブログで述べたようにユーロコインは国によってデザインが違います。バチカン市国もれっきとした国なので、ユーロコインのデザインもあります。

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バチカン市国を旅行した友人が、私がユーロコインを集めていると知り、お土産としプレゼントして貰った1ユーロと2ユーロのコインセットです。

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コインのデザインは、ヨハネ・パウロ2世の肖像となっています。その後、ローマ法王は、2005年からは「ベネディクト16世」に、2013年から今までは「教皇 フランシスコ」へと変わっており、そのたびに、コインのデザインを変わっているそうです。今回の訪問で、別のデザインのユーロコインをコレクションしようかと画策しています。