私にとっての旅の醍醐味の一つである食事について話したいと思います。大学院生であった頃、初めて国際会議に出席・発表したの場所が、スイスのローザンヌでした。スイスは、ドイツ語・フランス語・イタリア語の地域があり、ローザンヌはオリンピック委員会の本部が置かれている都市でもあり、ジュネーブからも近くフランス語文化圏に属する街となっています。
最初の国際会議だということもあり様々な国の人たちと研究の話はもちろん、文化やゴシップなど様々な会話を楽しみました。ある晩、その流れで、4~5人でフランス料理を食べに街へ繰り出しました。日本人は他大学の先生と私の2人で、あとのメンバーの国籍は残念ながら覚えていません。適当なレストランに入って、英語でメニューを下さいとお願いしたら、フランス語のメニューしか置いていないことが判明。どうしようと迷っていたら、研究者の一人がフランス語が母国語でもないのにメニューのフランス語を私に説明してくれました。そのメンバーの中でメニューを読めなかったのは私だけだったようで、私の中での強烈な国際会議デビューの一コマでした。
日本でレストランのメニューと言えば、ファミレスなど写真が多用されており、言葉が分からなくても注文できますが、ヨーロッパのレストランでメニューに写真が載っていることは、ほとんどありません。言葉から、どんなメニューか想像して注文するのです。最近では、想像通りのメニューが出てきたときの喜びと、想像と違ったときのチャレンジ精神も、旅では、共に楽しむようにしています。ただ、現在、フランス語のメニューが読めるようになったのではなく、メニューの構成から、前菜が最初の方にあって、メインの料理はこの辺かなぁと値段を見ながら想像して、ほんの少しのフランス語の知識で解読しようと試みているだけです。いきなりフランス語のメニューはハードルが高いにせよ、日本語のメニューが置いてあるレストランでも英語メニューとの違いがあったり(日本人には値段の高い料理だけを載せているレストランもある)、英語メニューからしっかり想像力を働かして、注文することにトライして欲しいと思います。
お酒が好きな場合、酒に関する単語だけは、すんなり覚えられるかも。ワインを注文するときも、最も値段の安いテーブルワインを注文して、お店のワインに対する姿勢を感じるのも通なのですが・・・(こっちは、英語メニューよりハードルが高いかなぁ。)私自身は、旅行に行くのが待ち遠しく、スーパーで見つけたイタリアワイン(キャンティー)を家で既に独りで楽しんでいます。